昨日はエコーランド・ペンション・クラブの総会・忘年会が開催された。
クラブの総会後に忘年会に突入する何時ものパターンで、今年の開催場所は、白馬内では一流ホテルと評判のすこぶる高い「シェラリゾート白馬」、食事は「秋のフレンチ四季のコース」。
ここの総料理長の金沢光久氏は、「東日本 美食の集う ガラディナー 究極のフレンチとワインの饗宴」 というフレンチディナーイベントに参加するほどのフレンチ料理人として名が売れている。
これは期待しないと言うのは嘘になるので、わが家を含めてペンションの御夫婦の参加が多くなったのもうなづける。
しかしながら、過去の忌まわしい経験から一抹の不安を抱えていたのも事実だった。
不安は最初から的中し出鼻はくじかれてしまったのだ。
エコーランドにホテルから迎えのバスが来て、PM5:30分に出発することになっていたので、雪降り後の雪塊と滑りやすくなっている道を考慮して15分前に集合場所に行ったところ、迎えのバスは来ていない。出発時間をすぎてもバスが来ないので幹事さんがホテルに電話したところ、「今、向かっています。」と、大ウソの返答があった。距離的に車で10分程度なので、もっとマシな嘘を言えば良いのにと思っていても中々来ない。結局PM5;50分に迎えのバスが来て、運転手が「お待たせしました。」と。
かの物議を醸した女性国会議員だった人の「違うだろう。」が口から出そうになったが、何とか押しとどめた。
零下の寒風の中、30分以上も立ちん棒だったので、体調が悪くなっていて気力が失せていたこともあった。
なにはともあれ、ホテルに到着してテーブルに着き、早速総会を開催したが、冷え切った体と心では議事に集中できないのは誰しも同じようだ。早々と総会を終了にして、期待のディナー・タイムに入ったのは言うまでも無い。
日替わり二種あるこの日のディナー・コースで最初に運ばれてきたのは、「フォアグラと豚足のテリーヌ 白いんげん豆の煮込み添え グリビッシュソースで」。
いきなり、周りの人たちが「なんだか臭い!」と言いだした。
確かに変な臭いにおいがしているので、犯人を探すべく食してみたが、テリーヌの中に一部臭い食材があったことは確認できた。
私はとりあえずこの皿を完食したが、食べ残した人が多かった。
この時点で一流ならば、シェフがあわててお伺いにくるのだが、このホテルの広い厨房にシェフらしき人は1名しかいなかった。
「真鯛のポワレタラトゥユ添え香味風味ブールグゥンソース」の鯛は身が硬く締っていて美味しくない。しかも冷めているし、香味風味からは缶詰の味がしてくる始末。
「赤パプリカポタージュ」もしっかり冷めている。
「牛肉の煮込みパイ包み焼き キノコソース」も冷めている。パイもすっかり時間がたってしまっていてパイらしくは無い。
ついつい、食べ残そうかとおもったが、勿体ないがあって食べきってしまった。
総料理長厳選素材とは、冷凍と缶詰を酷使したものだろうか。
冷めた味の薄い、インパクトの無いフレンチで何を云わんかだ。
飲み放題で酔いのまわったペンションの人達でも、普段調理しているのだから、誤魔化しは効かない。
最初のころは給仕さんがいたのだが、ある時から姿を見せなくなってしまって、飲み物はセルフ・サービスになった。時間給なのだろうか、しっかりしていると言えばそれまでだ。
高級リゾート・ホテルの究極フレンチとは、あきれるばかりだ。
帰ってから口コミを覗いてみると、数人の方からまともな言葉が綴られていたのを発見。
「お惣菜やさんの料理と同じ」と看破している御人や、「見栄えだけ、二度と来ない」、「食べなければよかった」などとある。
早く見ておけばよかったと後悔するが後の祭り。
就寝しても胃の気持ち悪さがと冷えが中々治まらなかったので、寝付けなくなってしまった。
忘年会なので忘れることに集中して寝るのが肝要だ。
まるで日本というあやふやな国と、その中を代表する大企業も含めて、鏡で見ているような夢見心地になってしまう。