このような時は朦朧と妄想していることが多い。
色づき始めた紫陽花を眺めているとイベット・ジローの「あじさい娘」が頭の中によぎる。
「まだ長いスカートをはいていた昔のことだけど 一人のみなしごがいました。 何時もやさしく気立てのよいあじさい娘です。」から始まり、その後みそめられて侯爵夫人になった清楚なあじさい娘の歌。
いまどきの青い目をしたお人形娘とはかけ離れた感が拭えない今は遠い昔の物語。
妄想は未だ続く。

このアルバムには妄想の種が多い。
「蛙」だ。
「一人の若者が池の淵に遊びに行って 蛙を一匹捕まえた。すると蛙は震えながら言った。私を放してください。そうしたら3つの願いをかなえましょう。」と。若者は最初に沢山のお金と良い着物が欲しいといい、次に栄光が欲しいという。しかしながら、若者は幸せにはなれなかった。若者は最後のお願いに愛が欲しいと言うと蛙が美しい娘に変わり若者に幸せをもたらした。
擬人化も甚だしいが、あり得ないことではない。なにしろここには蛙たちが彼方此方にいるのだから。