2025年02月13日

ah-面白かった

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おそらく吉田拓郎最後のアルバムになるだろうと思われるが、拓郎とはこれまで縁のなかったジャケットデザインになっている。
ジャケットの女性はモデルの奈緒さん。
副題らしい言葉があり、
「ちょっとだけ True Story」
とある。
最後の別れの挨拶かも知れないが、
   「さようなら」
  そっと時が流れた
 やさしい風が吹いていた
このまま穏やかな日々を心から願う
  人間は泣きたいほどに
   一人ぼっち
    なんだ
     よ
・・・・2022年 拓郎・・・・
とある。
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アルバムの曲は、
SideA
1.ショルダーバックの秘密
2.君のdestination
3.Contrast
4.アウトロ
SideB
1.ひとりきりgo to
2.雨の中で歌った
3.雪さようなら
4.Together
5.ah-面白かった
になっている。
この中で特にお勧めしたいのは、sideBの3曲目 「雪さようなら」。
もともとは「猫」に提供した「雪」という曲なのだが、「さようなら」と言っているのがなんともやりきれない。
コーラスに小田和正が参加しているのが印象的だ。
最後の最後で、ah-面白かった と言えるようになりたいものだ。



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2025年01月01日

となりのトトロ

白馬は大雪状態ではありますが、晴れの新年を迎えました。
今年もオーディオとレコードを更なる高みに持っていけるよう精進しますのでよろしくお願いします。
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今年最初の一枚は、我が家の家宝の一枚になります。
このジャケットだけでも宝物に違いありません。
内容はイメージソング集になっていて、
となりのトトロ
風のとおり道
さんぽ
まいご
すすわたり
ねこバス
ふしぎしりとりうた
おかあさん
小さな写真
ドンドコまつり
風のとおり道(インストゥルメンタル)
と、豪華11曲になります。
作曲は、長野県出身の 久石 譲 が担当し、なおかつ 小さな写真では歌ってもいます。
作詞は、宮崎 駿 と 中川 李枝子 です。
歌は、井上 あずみ と 杉並児童合唱団 森 公美子 北原 拓 久石 譲 です。
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どの曲もとてもよいのですが、一番のお気に入りは、「さんぽ」です。
     歩こう 歩こう 私は元気・・・・
沢山の元気をもらいました。

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2023年06月05日

モリアオガエルと薔薇

此のところの外気温の乱高下は身体に厳しく感じる。
今日は暑くなって尚且つ湿度も下がっているようで咽喉が乾いてくる。
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毎年の異常といわれている気候変動には影響されないのかモリアオガエルが何時もの指定席にやってきた。
これも何時ものことだが鉢植えの薔薇をほぼ指定席においてある。
今日は私に遠慮したのかモリアオガエルは薔薇の花の中には潜り込むことはしなかったが目を離すと危ない気がしてくる。
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地植えの野茨が日当たりの良いところから開花し始めてきた。
今年も沢山の蕾をつけているのでこれからが楽しみになる。
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また、カクテルが開花したがこちらは蕾が少ないので心配の種だ。
大輪の四季咲き薔薇ユトリロはあと少しで開花するかもしれない。
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庭の一画ではゼンテイカの一番目開花を見つけた。
急な暑さで体調を崩さないよう午後は室内でゆったりしていよう。
そうこうしているうちにいつの間にかモリアオガエルが何処かに消えてしまったので薔薇は切り花として玄関の中に収めた。
室内を吹き抜ける風が気持ちよい。

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2022年08月02日

海道東征

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信時 潔(のぶとき きよし)作曲  北原 白秋作詞 交声曲「海道東征」は、初代天皇になった神武東征を題材にしている。
神武天皇の即位から2,600年にあたる年であった昭和15年にその奏祝曲としてつくられたもので、戦前は全国各地で演奏されたそうだが、敗戦後には題材やつくられた経緯もあってGHQの指導のもと長く封印されてきた。
しかしながら、戦後70年の平成27年になって作曲者信時潔の生まれた大阪の地の公園を期に目出度く復活したのだ。
当然、戦前は78回転のSP盤8枚組であったのだが、今やCDで鑑賞できるという幸せは言葉に尽くせない。
作詞にあたって北原白秋は晩期にあたり、すでに目が見えなくなっていて「古事記」「日本書紀」を家族に読んでもらったり、書くこともできなかったので口述筆記してもらったそうだ。
なにはともあれ、学校での歴史教育では無視されていた日本の建国史に触れることができるとともに、戦後失われてしまっている日本の文明・文化に触れる一端になることが美しい交声独唱・合唱の言葉からにじみ出てきているのが解る。
自分を見つけたいと思う人には必聴の一枚になることだろう。
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2021年08月10日

アン・ギルバート

アン・ギルバートは生涯二枚のアルバムしか残していない。
とても不思議なことだが、この世界ではよくあることでもある。
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この「イン・ア・スインギン・ムード」は二枚目であり最後のアルバムなのだが、白人女性ジャズ・ポカールの素晴らしさを堪能できる数少ないアルバムの一つといえるものだ。
特徴としては、色気は無くて誇張も無くスイングすることにあり、聴衆側に緊張を強いないので心が弾みかつ休まるほどなのだ。
特徴が無いと云えばそう聞こえるかもしれないが、歌唱が押し付けがましくなく、それでいて印象深くなるのはとても魅力的なことなのだ。
一言にするのは難しい話だが、要するに暖かいと云ってしまおう。
出切ればモノラルのカートリッジでお聞きになることをおすすめするが、今回の我が家ではトーレンス124プレイヤーにシュアーVタイプVのカートリッジに0.12mmのロシアンケーブルのシェルリード線で再生した。
JBLM9500のセンターから彼女の暖かい歌がジャジーに流れてきた。
我が家の家宝であり、とっておきの一枚になっている。

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2021年02月06日

Clifford Brown

余り好きな言葉ではないのだが、癒されると言うか、心に響き通る演奏があるのは事実。
JAZZの演奏の中で特別な存在としては、クリフォード・ブラウンのウィズストリングスがある。
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ジャズらしくないと言ってしまえばそうとれることもあるが、曲のメロディーを大切にしてトランペットで語り掛けてこられては、言葉を失ってしまうことになり、最早ジャズが何たるかなど意味をなさなくなってしまう。
昨今流行りの「おしゃれ」などというのとはかけ離れていて、心が通じるジャズは滅多にあるものではない。
楽器を通してブラウンと曲の持つ優しさが心に沁みる入るとっておきの一枚を超お勧めします。
オリジナル盤は我が家の家宝ですので、再発盤での再生をしています。
それでもエマーシー・レコードの録音カーブは、マーキュリー・レコードとの関係からAESカーブになります。
これでマッキントッシュのスピーカーからトランペットの音が飛んできて心を突き抜けていきます。
posted by みのさん at 22:38| Comment(0) | TrackBack(0) | とっておきの一枚

2021年02月05日

Peggy King

SP盤の聴き疲れなのかどうか定かではないのだが、とにもかくにも疲れがたまってきたようで、集中力がなくなってきたようだ。
割れやすいSP盤なので、気が抜けるのは取り返しのつかないことが起きるので、暫くコーティングとコーティングを剥がす作業を休止することにした。
疲れた心身に必要なのは、飛び切りの美人さんと優しい歌声が、とっておきの妙薬になることが請け合いである。
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タイトルの「LAZY AFTERNOON」は申し分ないし、勿論、とっておきの美人さん「Peggy  King」との相乗効果は、疲れを忘れさせてくれる。
このLPアルバムは、インペリアル・レコードという希少な会社であり、再生に当たってはRIAAカーブではなく、キャピトル・レコードとの関係があるので、キャピトルのカーブに近いMGMのカーブ、すなわちMGMカーブに近いAESカーブでの再生にすることでより本来の再生音に近づくことができる。
ペギーのちょっとハスキーな歌声と、その歌声の邪魔なならないように演奏する楽団が微笑ましい。
疲れた時のとっておきの一枚はペギーに限る。
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2019年12月24日

大地の歌

レナード・バーンスタイン指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ジェームズ・キングのテノール
ディートリッヒ・フィッシャー・ディースカウのバリトン
1966年4月、ウィーン・ソフィエンザールでの録音
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マーラー交響曲「大地の歌」
デッカ・プレス、ED1、A・B面ともに1Gスタンパー
このマーラーは、一番のお気に入りの一枚であるとともに、音質も内容も申し分ない。
勿論、再生は、トーレンスTD124のターン・テーブルで、デッカ・カーブを使用する。
JBLからこの世のものとは思えない世界が現れる。
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2019年12月20日

HELGE LIEN TRIO

このアルバム「To The Little Radio」、この音と演奏は、尋常なものではないと、言いきってしまおう。
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昨今の新譜で発売されるアナログ盤は、見かけ倒しが甚だしく、何時も試してはガッカリしたものだ。CDの音質の方がまだマシといったテイタラクぶりで、希少価値としてのアナログ盤といった宣伝がまかり通っている。これは音楽のジャンルを選ばないので始末に悪い。
例えば、チョン・キョンファの東京公演のライブ・アルバムは、希少価値としてだけのもので、演奏内容と音質は、これまでの彼女の優れた演奏アルバムを冒涜しているとしか言いようがないほどだ。
しかしながら、今回、これほどのものが出てこようとは、最近のアナログ盤であっても、まんざら捨てたものではないと、思い直す必要に迫られてしまう。
北欧の空気感が部屋に充満してくる様は、素晴らしい演奏者とエンジニアやスタジオの相乗効果が遺憾なく発揮されたものであるのは疑う余地は無い。
元々は、2006年、オスロのレインボー・スタジオで、ヤン・エリック・コングスハウクが録音し、2007年発売している。
これを今回(2019年)、日本のクラフトマン・レコードによるリマスターが行われ、当初アルバムを凌ぐ演奏が聴けるようになったのだ。
当然このアルバムを再生するには、中途半端な気持ちではなく、最低限針先の掃除と盤の静電気は除去しておくことが肝要なのは言うまでもないが。幸せな時間を過ごすためには、多少の面倒は避けて通れないのが、アナログの醍醐味といえる。
また、とっておきのアナログ・アルバムが増えてしまった。

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2019年06月28日

春の祭典

言わずと知れたストラヴィンスキーの「春の祭典」。
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小林研一郎の指揮、ロンドン・フィル・ハーモニー管弦楽団による、2017年4月12日、ロンドン、アビー・ロード・スタジオ録音。
レコーディングとバランス・エンジニアは、江崎ともよし氏が担なっている。
この「春の祭典」は、白馬村のように長く閉ざされた冬からの解放による春への讃歌と、新たに再生する人間や自然界の生命の息吹を詠いあげていて、日本のお正月のハレの日を彷彿とさせ、大晦日の除夜から新たに再生する民族の慣わしに代わるところが無いと思ってしまう。
ただし、祖先を呼び出す際に、「いけにえ」を捧げる件は、日本では、祖先や地主神の悪魂を鎮めるときに行うので、違いは当然ある。
お勧めは、小林研一郎のエネルギッシュな指揮とロンドン・フィルにあり、そうだいなお祭りを遺憾なく表現しているところだろう。
もし贅沢を云わせてもらえるのならば、空気感がカラッとしているので、湿り気が欲しいと思う。
そうなれば、聞く人を震撼させることが可能となるだろう。
このレコードは、DSD録音によるCDもしくはSACDなのだが、今回、はからずもアナログ・レコードで入手できたので、とても憑いているのかもしれない。
最後の「いけにえの踊り」は、空也上人の念仏踊りに聞こえてしまうが、空耳だろうか。
音楽は、国境をも超えるともいわれるが、さもありなん。


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2018年11月18日

ジャクリーヌの涙

信じられないかも知れないが、これはジャック・オッフェンバックのチェロによる演奏作品なのだ。
オッフェンバックにとってのジャクリーヌとは、知る由もないが、演奏から聞こえてくるのは、物静かな気品のある婦人像が脳裏に浮かぶ。
また、この涙の意味するところは、悲しいだけではないような気がしているが、強ち的外れではないだろう。
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ただし、これはジャクリーヌではなく、イメージとしての参考画像であることを、お断りしておく。
何故か音楽作品辞典にも載っていない、オッフェンバックのこの曲に巡り合えたのは、正に奇遇というものだろう。
当然と言えば当然なのだが、この曲の入っているアルバムは恐ろしく少ない。
知名度が無いという所為ではあるのだろうが、勿体ない話である。
現時点で入手できるアルバムは、CD3枚を確認している。
その中で、絶対にお勧めしたいのは、ウェルナー・トーマス=ミフネがチェロを演奏する「ジャクリーヌの涙〜魅惑のチェロ小作品集」だ。
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ハンス・シュタットマイヤー指揮、ミュンヘン室内管弦楽団によって、1983年、1985年に録音されている。
ついでなのだが、オッフェンバックの曲がもう一つ演奏されていて、「天なる二つの魂」も格別だ。
チェロ演奏者の素晴らしさが際立つアルバムなのだが、気になるのはミフネという名だ。
これは伝え聞くところによると、ウェルナー・トーマスという同姓同名の演奏者が存在しているので、日本に来日した際行った小料理屋の名前なのだそうだ。
とにもかくにも、一度聞いたら嵌ってしまうこと間違いない涙である。
本当は教えたくなかったのだが、この時季にぴったりな曲なので、放出してしまった。
これで幸せが手に入るというものだ。
因みに、イメージは、イングリッド・バーグマン「誰がために鐘は鳴る」のアルバム・ジャケットである。
これは絶対放出しない。

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2018年11月17日

MIDNIGHT SUN herb alpert

このアルバムは、トランペット奏者のハープ・アルパートによる旧友スタン・ゲッツの死を悼んでつくられたものだ。
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ハーブ・アルパートは、1960年代にティファナ・ブラスとの演奏で大成功をおさめ、グラミー賞を7つ、15枚ものゴールド・ディスク、14枚のプラチナ・ディスクを獲得している。
こうしたことから、ジャズ関係者からはコマーシャルな演奏家と揶揄されることが多々あり、ジャズ・ミュージシャンとして認知されていない。
このことは、ジャズの辞書として権威のある「The New Grove Dictionary of Jazz」に、ハーブ・アルパートの記載は見当たらない。
しかしながら、「The New Grove Dictionary of Music」には、かなりのスペースを使って、ハーブ・アルパートの音楽ついて書かれている。
時代の空気を敏感に感じ取る才能を、音楽家と言うより商売人と、陰口をたたかれてしまったのだろう。
また、A&Mというレーベルからアルバムをだしているが、Aは、アルパートの頭文字であることから、自己のレーベルを創設したものである。
ここでとりあげられている、オール・ザ・シングス・ユー・アー、サムワン・トゥ・ウォッチ・オーヴァー・ミー、モナ・リサ、イン・ザ・ウィー・スモール・アワーズ、あの娘の顔になれてきた、スマイルといったスローな曲が、聴き手を少しばかりしんみりさせ、静かなジャズを聞きたい方にうってつけになっている。
しかも、フレンズという曲では、亡くなる直前のスタン・ゲッツと共演し、心のこもった演奏をしている。
わざとらしくなく、さりげなく、友のへの悲しい胸の内を伝える事が出来るミュージシャンは、それほど多くはないと思う。
最高の音楽家が最高のジャズを演奏しているこのアルバムを、最高のリスナーにお勧めする。
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2018年10月10日

輪廻交響楽

10月10日の日は晴れるものだと思っていたら、午後から雨が落ちてきた。
朝から薄暗く風も無いので、静まり返っている。
このような場にふさわしいのは、芸能山城組の「恐山」から10年後、1986年に発表された「輪廻交響楽」に尽きる。
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なにしろ、このアルバムは、地下のデットな部屋での究極な再生を目指すべく、日夜音の調整していると言っても過言ではないからなのだ。
最初の出だし一音がドーンと地獄から湧いてくるのを、表現できないようでは、オーディオをやっている意味など無い。
鬼太鼓座の太鼓が巧く再生できようが、これらは問題外の外にある。
「恐山」で恐怖心を感じたのなら、なおさら聴くことをお勧めする。
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何故なら、「恐山」のような暗く沈んだ冥界の音楽では無く、明るい輪廻転生の安らかな音楽なのだから。
それでも、人がリスナーの目の前をくるくる廻り歩くのは、こちらの対処方法が見つけられないので不安にはなるだろう。
問題は、このアナログ・レコードの音質にある。
第1章 「翠生」
第2章 「散華」
第3章 「瞑憩」
第4章 「転生」
ある時、山城組長がこの「輪廻交響楽」を、音質が素晴らしいと言われたCDにして、あるオーディオで著名な大学教授のオーディオ・システムで再生したところ、余りにもひどい違いで腰を抜かしてしまったそうだ。
アナログ・レコードで再生できても、CDでは叶わないものなのだ。
誰にでもお勧めできる訳では無く、ましてや、オーディオ・システムの真価が問われしまう、このアルバムこそ、我のとっておきの一枚と断言できる。
外の雨は暫く止みそうもない。
うまく転生まで行きつくことができればシメタモノだ。
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2018年09月07日

チョン・キョンファ名演集

チョン・キョンファの数あるレコードの中でも、人気の高い一枚が、この「序奏とロンド・カプリチオーソ」だ。
この人気の秘密は、演奏者のオーソドックスとは言えない(異常な)人間性が作曲者の芸術性(言葉を替えれば狂気)を余すところなく暴きだすことによるものだろう。
これが、聴く者を不思議で不安な世界へと導いてくれるのだが、理性では叶わなく、感性の世界でなければ心に響いては来ない。
このアルバムの一曲目、ショーソンの「詩曲」を聴いてみれば、人間の感情が音となって押し寄せてくるのが解るだろう。
二曲目の、サン・サーンス「序曲とロンド・カプリチオーソ」では、旋律の美しさとバイオリンの技巧が哀愁を醸し出している。
面を裏返しての一曲目、サン・サーンス「ハバネラ」は、官能的でありチャーミングな恋歌になっている。
二曲目の、ラヴェル「チガーヌ」では、ジプシーのように、ハンガリア狂詩曲風に、緩急豊かに洗練された細かな音の粒となって飛んでくる。
シャルル・デュトワ指揮、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団のもと、チョン・キョンファのバイオリンが胸を締め付けてくる。
ここには、現代音楽でのクールで知的、抑制の利いたスマートな表現やダイナミズム、とは無縁の世界があり、紛れもない作曲家の狂気が伝わってくる。
音楽の神髄を体験したい方にお勧めする、とっておきの一枚です。
なお、アルバムは2種類あり、
デッカED4のオリジナル盤と、
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再発のスーパー・アナログ・ディスク盤。
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切味のデッカ、シットリ感のスーパー・アナログ。
どちらがお好みかは貴方次第。
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2018年02月08日

カラヤン/ベルリン・フィル ライブ・イン・東京1977

正に絶頂期のカラヤンとベルリン・フィルによるベートーベン交響曲チクリス全集の1977年東京ライブLPの演奏が熱い。
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CDとSACDでは、すでに発売されていたのだが、限定300セット10枚組LPとして発売されたものだ。
会場は、5000人収容できる普門館。
録音は、5番、6番がエフエム東京の橋本正文氏。他は、若林駿介氏となっていて、それぞれ特徴ある収録になっている。
このLPの作製には、相当の意気込みが感じられ、盤質はもとより安定したメッキ工程を得る為、プレスを敢えて温度が安定する夏場を選んでいたり、インナーも通気性のある和紙より丈夫な、盤に優しい素材を使用している。
また、普門館のホールには、音響調整のための反響板が設置され、ザルツブルグ祝祭大劇場と同じデザインになっているとのことだ。
こうした効果から、第1番、2番から爽快・溌剌としたカラヤンが聴ける。
第3番のエロイカ、4番は綿密・総代な演奏が緻密表情までカッティングされている。
第5番は、カラヤンにしてはすざましいと言える音量と起状の激しさがあり、突き刺さる金管と唸る低弦に心が揺さぶられる。
第6番のみずみずしさ。
第7番、8番は、まさしくベルリン・フィル・オーケストラの聴きどころ。
第9番のコーラスは天上まで届きそうだ。
数あるカラヤン/ベルリン・フィルのベートーベン交響曲全集の中でも、人間味あふれたカラヤンが全知・全能を注ぎ込んだ集大成といえる感動のライブ・演奏と断言でき、これ以上は存在しない。
このお宝ボックスは、幸せが一杯に詰まっていて、とっておきの10枚ワンセットだ。
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2018年01月22日

IN CONCERT

「マックス・ローチ・アンド・クリフォード・ブラウン・イン・コンサート」が、オリジナル盤でのタイトルだったのだが、ジャケットが変更された再発盤では、ローチとブラウンが入れ替わってしまっている。
しかも、ライブ録音の所為か、CDを含め再発盤では音質が劣化していて聞き苦しいので、あまり人気が無いのが悲しい。
オリジナル盤では、秀逸なジャケットと、熱の入った演奏が適当な音質と相まって、素晴らしいアルバムになっている。
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7インチ盤は、1954年4月録音で「神の子は皆踊る」と「テンダリー」の2曲が収録されている。
クリフォード・ブラウンのトランペット、テディ・エドワーズのテナー・サックス、カール・パーキンスのピアノ、ジョージ・ブレッドゾウのペース、マックス・ローチのドラムスの演奏者になっている。
10インチ盤は、1954年8月録音で「ジョードウ」、「言い出しかねて」、「君にこそ心ときめく」と「パリの舗道」の4曲が入っている。
演奏者は、テナー・サックスがハロルド・ランドに、ピアノがリッチー・パウエルに、ベースがジョージ・モロウに、それぞれ入れ替わっている。
12インチ盤は、7インチ盤と10インチ盤に収録された演奏に加えて、1954年4月に録音された「サンセット・アイズ」と「クリフォーズ・アクス」がはいっている。
この12インチ盤は、1992年にキング・レコードから再発されたのだが、オリジナル・ジャケットを使用し、音質もオリジナル盤にそん色ないようにされている。
全てロサンゼルスでのライブ録音で、聴衆の熱気に乗せられた演奏者が生き生きとしている好演が揃っている。
クリフォード・ブラウンのライブ演奏では、ブルー・ノートのライブ演奏とともに双壁と言ってよいだろう。
posted by みのさん at 21:48| Comment(0) | TrackBack(0) | とっておきの一枚

2017年12月25日

クリスマス・ソング

今年はホワイト・クリスマスになったので喜ばしいのだが、昨夜半から明け方まで爆弾低気圧の影響からか雨降りになってしまった。その後、雪降りに変わってきたのだが、横殴り状態があらわすように暴風が吹き荒れている。これではスキー場のゴンドラは全休になりリフトは部分運休になってしまうので、面白さは半減してしまうだろう。
自然の猛威には如何ともし難いので、このような時はクリスマス・ソングで明るく楽しく過ごすのが賢明だろう。
お勧めは、ホーリー・コールのこのアルバムで、なんとも楽しさが湧いてくる。古いクリスマス・ソングなのだが、新鮮差があって飽きがこない。
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ジャズ的には、ダイアナ・クラールのどすの利いた歌が心に響いてくる。ただし、大人向きなので対象を選ぶので注意が必要。
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本命といえるのは、カーペンターズでカレンの歌声が可憐であるばかりでなく清々しい。特にアベマリアは必聴といっても過言ではない。
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マッキントッシュのスピーカーも絶好調で、いままでは何となく聴きずらかったダイアナも可愛げがでてきて全曲通して聴くことができた。
カレンの歌声は、教会で歌う天使のように聴こえてくる。
クリスマス・ソングは、この時季だけのものなので、とっておきが三枚になってしまった。
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2017年10月14日

Byrd in Paris

この頃やっとのことでGEカートリッジの音らしくなってきたので嬉しいかぎりだ。
プレーヤーは、トーレンスTD124にSMEのショートアームを取り付けている。
GEのカートリッジは、ステレオ用にVR1000を、モノラル用にはVRUトリプルプレイの放送局仕様にしている。
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フォノイコライザーはハンドメイドでマランツ7のRIAAカーブが相性が良いと感じているところだ。
ドナルド・バードの「バード・イン・パリ」にVRUの0.7ミル針を降ろす。
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1958年10月22日、パリのオランピア劇場でのライブ録音の所為か、
最初の曲、「ディア・オールド・ストックホルム」の入りがおぼつかなくなっている。
これは直ぐに解消するのでなんてことは無いのだが、ダグ・ワトキンスのペースに導かれてトランペットのドナルド・バードのトランペットがリリカルに唄いあげる。サビに入るとテナー・サックスのボビー・ジャスパーが白人らしくクールなソロをとる。この後バードの後にワトキンスのソロが延々と続くことになる。
ピアノはウォルター・デイビス・ジュニアで、ドラムスはアート・テイラーだ。
二曲目は、ソニー・ロリンズの曲「ポールズ・パル」とバードの紹介が入り、ジャスパーがロリンズと思わしくなる演奏で突入していく。
三曲目は、ジャスパーの曲で「フルート・ブルース」をジャスパーのスリリングなフルート演奏が聴ける。この演奏ではバードとテイラーが抜けている。
四曲目は、レイ・ブラウンの曲で「レイズ・アイデア」を、ジュニアのピアノ・トリオ演奏している。
最後の五曲目は、クリフォード・ブラウンの曲で「ザ・ブルース・ウォーク」なのだが、バードの紹介は、ソニー・スティトの「ルーズ・ウォーク」と言っていて、どっちが本当なのだか解らない。
とにもかくにも、この演奏全てが素晴らしいので、パリの聴衆も興奮気味にやんやの喝采が記録されている。
ライブ演奏のなかで秀逸の一枚と断言できるわが家のとっておきの一枚をバップ演奏好きな方にお勧めします。
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2017年08月18日

空前絶後

毎日の憂鬱な雨模様に気分がすぐれないのでここはひとつ景気の良くなるレコードを持ち出すことにしよう。
思い切ってチョイスしたのは、チャイコフスキー大序曲「1812年」。
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ご存じのとおり、1812年にナポレオンが60万の大軍をひきいてロシアに攻め入り、やがてロシア軍との戦いの中で寒さと餓えのために完全に敗退したことに因んでいる。音楽の中にはフランス国家やロシア国家が使われていて解りやすい内容にもなっている。
数枚ある「1812年」のアルバムから至上最強と言われてる、テラーク・デジタルが一躍世界に知らしめた驚異の録音アルバムをEMTプレーヤーにセットした。
テラークの技術陣はチャイコフスキーの表現意欲を徹底して再現するために、大砲は完全保存されている19世紀当時の実物が3本使われている。また、ロシア軍の勝利を祝う鐘も本物を使用した。
エリック・カンゼル指揮シンシナティ交響楽団の演奏はフル編成のうえで1878年に建てられた由緒ある本拠地のシンシナティー・ミュージック・ホールで収録された。このホールは音響の美しさは全米でも指折りの存在と言われている。
これほどのレコードを長岡鉄男氏は「TELARCの名前を天下に知らしめた猛烈録音のレコードである。大砲の衝撃波がアーム、カートリッジ、スピーカーを強襲する。」といっています。
また、巷ではレコード史上もっとも過激で「まともな再生は不可能」とまで言われました。
確かに大砲部分のレコードの溝幅を見ると1mm近くもあり恐怖心が湧いてきます。
響き渡る大砲を忠実に再現できるか、オーディオ・システムの真価が問われますが、デットな部屋のJBLM9500及び他の装置はびくともしません。EMTのTSD15カートリッジとアームはしっかり拾い上げ、スーパー・ツィーターは綺羅星のごとく火花を撒き散らしています。鐘の音は部屋中に響いています。JBL46cm2本のスーパー・ウーハーがズギューンと唸りを挙げましたが、空砲の空気が横切って行った程度です。
因みにCDでの再生と比較してまみしたが、リアリティではアナログ盤が一枚上手でした。
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誰かどたどたと地階に降りて来て「何処かで花火をあげている。太鼓もたたかれている。」と言っています。
地震もあったはずですが黙っておきましょう。
このアルバムには、
イタリア奇想曲と、
コサックの踊り〜マゼッパより
が収録されていますが、「1812年」の衝撃ばかりではなくとても良い音と演奏ですのでお見逃しなく。
もやもやした気分を大砲で吹き飛ばしたい貴方に超お勧めの、とっておきの一枚です。



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2017年07月23日

星はなんでも知っている

日劇のウェスタン・カーニバルは知らないのですが平尾昌晃は良く知っています。
歌手であり、その後作詞・作曲も手がけて良い流行歌を輩出しました。
曲の特徴はこれまでの日本的演歌の曲相を残しながら世界のポピュラー音楽を味付けとして加味しています。
このために新鮮な音楽として万人に受け入れられたのでしょう。
歌手としての平尾昌晃の歌で一番のお気に入りは「星はなんでも知っている」です。カラオケでは台詞付きで良く歌いました。
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あの子を泣かせたのは
おいらなんだ・・・・
だってさ とってもかわいくってさ
キッスしないでいられなかったんだ
でもさ でも
お星様だって 知っているんだ
あの娘だって
悲しくて泣いたんじゃない
きっと きっと うれしかったんだよ

有名なのは「ミヨちゃん」なのですが、ドリフターズのヒット曲なので平尾昌晃の作詞・作曲で本人が歌っていたことを知る人は多くありません。
今夜は平尾昌晃を偲んで、このドーナッツ盤を聴くことにします。
わたしにとって思い入れ多い外すことのできないとっておきの一枚です。
posted by みのさん at 21:33| Comment(0) | TrackBack(0) | とっておきの一枚