前代未聞の長期休暇の所為で色々な事を試すがえす実行する余裕が出来たので、妄想は膨らみばなしになっている。
普段は隠しておいた自己の二面性にも気づくことができて、これはこれで自己改変にもなり、思いかけずに新しい発見に至る。
最近の発見は、「上品な音」であって、嫌いであったヨーロッパ貴族の悪趣味に便乗しようと思ったわけではないが、綺麗な透明感を全面に押し出している最近のハイエンド・オーディオとは一線を画すことと言う哲学は毛頭捨てるものではない。
さて、「上品な音」もいよいよ収束すべく、これを最後にしたいと願いつつマッキントッシュXRT22sに接続したスピーカー・ケーブル、+側のニューイングランド、マイナス側のインカ、それぞれの中間に各9cmの味付けを施したものに、スレッショルドのパワーアンプ、イルンゴのフェーダーでドライブしていたものを、パワーアンプにマッキントッシュの真空管アンプ、オクターブのプリアンプと、以前のシステムに戻すことにした。
ここでの問題は、スレッショルドとイルンゴは、いつでもこのシステムを交代出来るようにしておくことにしたので、パワー・アンプがスピーカーの中間に二段となってしまい、見た目も音的にもよろしく無いことだ。
特にマッキントッシュの真空管パワーアンプは発熱が大きいので、上の段に置き上部を解放状態にしておく必要があるのだ。
何はともあれ、セッティングを完了して早速音出しに入った。
二か月近く電源を投入していなかったプリとパワー・アンプだが、おそらく機嫌が悪いだろうと思って恐る恐るスイッチを入れ、CDでの音出しを始めたものだ。
上品な音としてチョイスしたのは、北欧ジャズのピアノトリオ。
最初の音は多少もたつき気味の低音過多であったのだが、2〜3分するとまとまりを見せてきて一曲が終わるころには満足感に包まれてしまった。
上品な音に少しばかり刺激がほしいと思い、+側のケーブルに細めの0.2oのロシアン・ケーブルか、0.4oのSXケーブルを宛がおうと思い用意をしたところで、我に返って思いとどまった。
元のもくあみ、今までの苦労が水の泡、になるところだった。
白馬が天を駆ける白馬らしい音で聴く音楽も捨てたものでは無いと再確認した次第だ。
この交代劇には後遺症があった。
パワーアンプを交代すべく、マッキントッシの真空管アンプは重さが40Kg超。
スレッショルドは37Kgある。
まず、37Kgを上段から下ろしてから40Kg超を、高さ40cmの台上に手で持ちあげて設置したのは良いが、背骨と背筋・腹筋、脚力・腕力・気力を総動員したので、暫く立ち直れなくなってしまった。
もう一人では如何ともし難くなっていることが、現実味を帯びてこころの後遺症として残ってしまった。
もう次は無い。
これを持って「上品な音」の完結としたい。