昼だと言うのに暗くなるほどの不穏な怪しい雲が北アルプスに寄り添いながら大雨を落とし、これが低地に向かって一気に押し寄せることになる。
何年か前には白馬岳に降った大雨が激流となって白馬大雪渓を下り雪渓をズタズタにしてしまったことがあった。
このような暗い豪雨の中で思い出すアルバムはギル・エバンスのスィート・ベイジルでの2枚組ライブ盤だ。

レストラン兼ライブハウスのこの店の「甘いバジル」と言った名前とは正反対とも言える不穏な空気に包まれた演奏は暗い熱気が充満していて蒸し暑さが伝わってくるようだ。
1.パラボラ
2.ブードゥー・チャイルド
3.オレンジ色のドレス
4.プリンス・オブ・ダークネス
5.ブルース・イン・C
6.グッドバイ・ポーク・バイ・ハット
7.空より高く
最初の曲の導入部分から真っ黒な雲が湧きでてきて呑み込まれてしまう。
どれもこれもアグレッシブな演奏でずぶ濡れになってしまうのは間違いなく、激流に流されないように気をしっかりもって対応することが肝心だ。
JBL M9500が吠えるので後ずさりしてしまう。しかもカートリッジはGEのVR1000だ。
音圧に体に力を入れて持ち応えなければならないほどだ。
クール・ストラッティンのようなジャケットデザインを黒い筆でかき消しているのは、クールを殴り消すイメージかもしれない。
このような豪雨・激流にも負けない、かつ物おじしない性格を築こうとする方に押しつける至極の一枚です。
どうもスイート・ベイジルというところは激しく暗い雲を湧きだすところらしい。
このようなアルバムもある。

さすがに心身ともに疲れるので良く眠れるのは幸いなことだ。