2017年07月11日

EMT930stの定期消耗品交換

アナログ・レコードの再生にはそれなりの儀式が必要なのだが、面倒なことこの上ないと思う人には向いていない趣味と言えるだろう。
この趣味性のなかでも群を抜くものにターンテーブルがあるが、特にEMTの930や927は最たるものだろう。
トーレンス124やガラード301などもメンテナンスを必要とするが、EMTに比べたらなんてことは無いとなってしまう。
とにもかくにもEMTの取扱説明書は必携なのだ。
事こまかに消耗部品の交換方法・頻度を始めフォノイコライザーをも含めた回路図まであり、ここでのメンテナンスありきで、EMTの性能を保証している。
こういった点においてわが家の930は不遇であると言わざるを得ない。
先ず、一年に一回は交換を推奨しているアイドラーだが、とことん使いきるといった節約志向が災いして、ゴロ音を感性で消し去ろうとする悪行を続けていた。今回は正気に戻ってしまったため、新品を購入してマニュアル通りに注油しセッティングした。当然のごとくゴロ音は無くなった。巷にはリ・ユースのアイドラーが安くて毎年の交換に負担が少ないと思っている方がおられるが、アイドラーの軸の摩耗によるワウ・フラッターなどのリスクとの兼ね合いが存在している。我が家のポリシーには合わないので採用できないのが辛いところだ。
次に、ベアリング・ボールの交換だが、あろうことか26年間放置していた。最高のオイルを使用していたとの自負の所為か特に問題もなかったことが一因だが、物には限度というものがあるのはうすうす承知している。今回はこのような反省と930への敬意をこめて特注の超硬質ベアリング・ボールをプレゼントした。純正品の金属ボールとは表面の処理がケタ違いに優れているので音質にも影響があると言える。このボールならば50年は大丈夫だろうと思うのは反省が足りていないのかもしれない。
さらに、進相コンデンサーの3〜5年毎の交換を他人に頼むことなしに自前で7年ぶりに行ったので、自己責任の範囲ではあるが納得できるまで追い込むことができたと思う。コンデンサー自体の入手は容易いが今回はEMT930用キットを使用した。これは細かい容量のコンデンサーが使いやすくセットされている利点を優先したものだ。ジャストフィットとすればモーターのゴロ音は聞き取れない。
他にも消耗品が多々あるのだが、今のところ不自由はしていないので目をつぶっておくことにしている。
これらの所業は結局のところ音質にどう影響するかが肝心なのだが、わが家では悪いことにターンテーブルのスピード調整にフェルトの摩擦を用いていない。EMT専用電源のコンバーターを使用して電気的に回転数をあわせている。
フェルトの摩擦はスピード調整だけではなく、ゴロ音の調整をも兼ねている。このためEMT独特の摩擦音をEMTらしいと思うのは勝手なのだが我慢できない事もあるのが事実だろう。この点だけを取れば糸やベルト・ドライブのターンテーブルに遅れをとってしまうことになる。
EMTによる音質の追及はこれにとどまらない。
純正のプラスチック製のターンテーブルは音の純度が下がり、濁った音の発出源となるので使用しない。
アナログ専用のディスク・インシュレーターを正三角形に置き、この上にレコードをおく。
このレコードの上にはアナログ・ディスク専用のスタビライザーを乗せて、再生するのがわが家の習わしになっている。
このようなことから、ちょっとしたゴロ音、モーター音などは能率の高いスピーカーと相まって容赦なく出てきてしまう。
我慢の限界も限度があるので消耗品の交換にはある程度従うしか手は無い。
さて、肝心の音なのだが、過去最高レベルになっているのは疑いようがない。
トーレンス・プレステージやイメディア・レボリューションにもおくれをとることは無く凌いでいるほどだ。
ベアリング・ボール、恐るべし!
勿論EMT930stの潜在能力の高さがあってこそなのだろう。



posted by みのさん at 18:18| Comment(2) | TrackBack(0) | デットな部屋
この記事へのコメント
930が絶好調のようですね。ぜひ一度拝聴させて頂ければと思います。仰る通り、EMTは元々放送局用のターンテーブルですから、「放送事故」を防ぐために、メンテナンスには相当細かい注文がつけられています。放送局での使用を考えたら、リビルド品のアイドラーを使うなんてトンデモない事です。EMTが1年で交換を指定すのは、放送事故を防ぐためには必要な事でしょう。機械的には、アイドラーは回転数に影響しないパーツですから、ゴムを削ってあげれば再利用できるという考えでリビルド品をお勧めしてしまいました。
一つだけ心配な事があるので、お節介な事を書かせてください。ターンテーブルのベアリングですが、
EMTはベアリングボールを柔らかくして軸受の保護をしてる可能性がある事です。
以前、こちらでベアリングを交換した際、ボールは著しく摩耗していたのですが、底面のボール受けと、ターンテーブルのシャフトは、ほとんど摩耗していませんでした。930はボールを摩滅させ、軸受を保護する設計ではないかと考えています。
Posted by たまちゃん at 2017年07月11日 21:09
何時もコメントありがとうございます。硬質ベアリング・ボールの導入についてはボールの精度が高ければシャフトとボールの両方が保護されると考えています。ボールの摩耗でシャフトを保護することもありますが、ボールの摩耗屑や摩耗による歪み、ボール表面のざらつきなどのシャフトへのダメージの方が大きいと思っています。
Posted by みのさん at 2017年07月11日 22:49
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