2020年01月26日

高齢者への道標

事の始まりは、昨年の11月の中頃に届いた通知書だ。
「重要なお知らせ」と、赤線に囲われた赤文字が如何にも厳めしく、続く赤抜きされた白文字には「高齢者講習通知書」と、先のお知らせの倍はあろうかと思われる、これまた厳めしさをダメ押しするような通知で、認知症高齢者を見越してかのような、戦前・戦中の赤紙の様相を呈していると、勘繰りたくなるのは「意固地」の所為か。
閉じはがきを開封すると、上段には、免許更新の前に。「高齢者講習を必ず受けてください。自動車学校などですぐに予約をお願いします。」とあり、中段見開き左側には、親切に「講習を受ける機関」と、「お近くの自動車学校」、「手数料5.100円」とある。
下段左側には、講習に必要なものが列記されている。
右側の中断から下段にかけては、「予約メモ」として、講習日と受付時間が記入出来るようになっている。
このはがきで驚いたのは、何といっても自分が高齢者として一人前になっていることだ。
まあー、認知症予備軍であるのは間違いのないところではあるが、古希を迎えた途端に高齢者との指名はあまりにも形式的過ぎるのではないか。
仕方ないので、早速、お近くの自動車学校に記入されている「大町自動車教習所」に予約の電話をしてみたところ、免許証を見ながらの予約で無いと受け付けてくれない。これまた仕方ないので免許証を車から持ち出してきて、再度の予約電話となる。
電話での予約も結構面倒なのだが、講習日を聞いて耳を疑うことになる。2か月先の1月23日と言うではないか。自動車教習所は高齢者講習で結構繁盛しているらしい。
ふたつきも待たされて、指定した時間に大町自動車教習所に行き、受付すると、同じ講習を受けると思しき御人が、もたもたしている。何でも受付表の住所の番地が書けないのだ。受付表には、親切に名前と住所番地以外は既に記入されていて、番地・番号を入れるだけでよいのだが、自宅の番地が解らないらしい。しかも、少し耳が遠いようなので受付嬢の話が聞きとれないようなのだ。はたして、このような事で免許の更新は出来るのかと、人ごとながら心配してしまう。
いよいよ講習に入ると全部で8名なのが解った。講師は教官で、まず簡単なレクチャーがあり、続いて三つの眼の検査にはいる。ここで8名は二つの班に分かれ、70から74歳、75歳以上で班別に検査を行った。
視力、視野、動体視力の検査なのだが、75歳以上の班の中に、未だ見えるはずもないのに見えてしまったりする人がいて、教官から、「せっかちですね。」と褒められていた。
北安曇地域は、危ない車の多いのは解っていたが、さもありなんと、妙に納得してしまう。
次は、実技講習として、教習所のコースをほぼぐるっと半周するのだが、受講生の中から、「パックが無くて助かった。」との声が幾つか上がった。
実技講習では、70歳から74歳の班では一番若かったらしく、一番目に指名された。
前を走る車には75歳以上の受講者が講習をうけているのだが、直ぐ後ろを走る此方の車の教官からは、「信号を右折してください。」と、言われたのだが、前の車は方向指示器を左に出して左折しようとしていた。この車は少し行ったところで、教官に注意されたのか、急に進路を右に変更した。此方は近づくのは危ないので、暫く信号で止まっていた。
実技講習の中身と言えば、S字カーブと前方の障害物を避けること、信号や一時停止が出来るか、ぐらいであって普通に運転が出来る人ならなんら問題は無いはずだ。
正味二時間の講習で最後に教官から、この高齢者講習の受講者からいろいろと問題提起があるらしく、「教習所の講習車は慣れていないので運転しづらい。とか、普段は軽自動車を運転しているので、普通車の運転は難しい。とか言われますが、普通免許を所持している人は平等に教習所の普通車での講習になります。」と、締めの言葉があった。
見たところ、とりあえず8名全員「高齢者講習終了証明書」をもらったので、危ない運転の蔓延は収まりそうもない。
この形式だけの講習では、高齢者の自動車事故は減るどころか、高齢化とともに増えていくばかりだろう。
一番恐ろしいのは、自分自身が高齢者ドライバーであるということだ。
posted by みのさん at 14:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記