2019年02月26日

三種の神器

フォノイコライザーのMMポジションでの使用ができ、かつ、優れた音を醸しだす三種カートリッジがある。
当然ながら、現代の高額オーディオ界の方向性とは大きくかけ離れていることには間違いが無く、過去の遺物としての扱いを受けていたりする。
しかしながら、個々の個性を巧く利用できるものなら、音楽性豊かな音の洪水を浴びることができ、この充実感を一度味わえば後もどりでき無くなってしまうほどの常習性が存在している。
@ B&O SP1
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 このカートリッジは、デンマーク、ハング・オルフセンの第1号カートリッジとして世にでたが、日本には、輸入会社などの関係で入っては来なかった。
 音質は、シュアー・タイプVとオルトフォンSPUを合わせたような、音像をしっかりと表出するうえに適度な潤いをおびているところだ。得意なのは、ぼやけ加減のレコードの音をしっかりとした音に変換して くれる優れものだ。
 たとえば、ビーナス・レコードの音について、巷では「アナログよりCDのほうが音が良い。」と、言い切る人が数多くいるが、このカートリッジで再生した音を一度でも聞けば、アナログの音の良さを認識出来ることなる。
 エディ・ヒギンズ・カルテットとスコット・ハミルトン「煙が目にしみる」は、素晴らしい。
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A ピッカリング371
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 最近は、DJ用のカートリッジの代名詞になってしまったピッカリングだが、この371で聞くジャズ は、切れ味鋭く金管楽器の咆哮は例えようも無いほどだ。音の粒子が飛んできて、顔面に突き刺さるぐらい の痛さが味わえる。
 見方によっては、かなり変わりもののように思うかもしれないが、この音に嵌ってしまうと中毒患者のよ うに、一途にのめり込むことになる。
 スティーブ・レイシー「森と動物園」、フリー・ジャズの神髄ここにあり。
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 それはそれで、このカートリッジの一番得意な音は、キャノンボール・アダレイのサックスなのだ。目の前で こちらに向かってしなやかに吹いてくる。
B デッカ・マークX(EE)
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 アナログ・デッカの音は定評のあるところだが、このカートリッジとイコライザーをデッカ・カーブにし たときの音は、格別と言うほかはない。RIAAカーブでは正体を現さなかった魔物が現れてくる。
 リヒャルト・シュトラウス「ツァラストラはかく語りき」、ズーピン・メータを聞くべし。
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 この時初めて、デッカ・レコードというレコード制作の達人たちの恐ろしさに触れることができる。
わが家では、過去の遺物では無く、過去の世界遺産として大事にしていて、隅には置かないでいる。


posted by みのさん at 17:47| Comment(0) | TrackBack(0) | マイクロ・グルーブ