晴れたり雨だったり、突風だったり雷だったり、暑くなったり寒くなったりしているこの頃は体調管理が厳しく仕事がはかどりません。それでも新しいケーブルが出来上がるとオーディオの調整とレコード聴きは止められません。この病気は慢性化してしまっているので既に免疫ができあがっているので苦になりません。前回からCDでの鑑賞会を開始しましたので、アナログの頻度が1/2に低下してしまいました。
貴重なアナログ鑑賞会の今回は、Eddie Higgins (ジャズ・ピアニスト)を聴きました。日本のビーナス・レコードで紹介されるまでは、「知る人ぞ知る端正なバップ・ピアニスト。」でした。奇をてらうことがなく、派手さもないことから人気になることもなく、何時か記憶からも消えてしまっていました。ビーナス・レコードから発表された「魅せられし心」が解りやすいジャズ・フィーリングで好評を博すとともにジャズを身近に感じさせてくれた貢献はとても大きかったと思います。エディ・ヒギンズに敬意を評してEMT930stにTSD15の丸針でレコードの再生を行いました。いつになく愉しいジャズ鑑賞ができたと思います。
一枚目は、1996年3月録音 Portrait In Black And White から「@木の葉の子守唄Aダニー・ボーイ」を聴きました。このアルバムはSunnyside レコードなのですが、女学生が縄跳びをしているマークがとても奇妙に感じます。内容はオーソドックスなピアノ・トリオによる演奏ですが、優しくスィングしながらもファンキーです。ダニー・ボーイではヒギンズのバラード・ピアノの真髄が楽しめました。テーマ・メロディーだけでの演奏がジャズになる素晴らしい演奏でした。

二枚目は、1997年6月 Haunted Heart から「@魅せられし心AIsn`t It Romantic?」を聴きました。このビーナスのアルバムはベスト・セラーになり、この評判がアメリカにも渡りヒギンズの再評価につながったそうです。ジャケットにも魅せられますが演奏にも魅せられてしまいました。

三枚目は、2000年2月 Don`t Smoke In Bed から「@Close Your EyesADon`t Smoke In Bed 」を聴きました。このアルバムはドラム・レスのピアノ・トリオ演奏ですが、モダンなピザレリのギター・ワークとレオン・ハートのベース・ワーク、ヒギンズのピアノが正に大人のジャズとして最高にくつろげる内容でした。

四枚目は、2001年1月 Bewitched から「@Beautful LoveA魅惑のとりこ」を聴きました。ピアノ・トリオにするスタンダード集アルバムですが、ヒギンズのアドリブの冴えが素晴らしい好演奏です。若々しい溌剌としたプレイのあと一転して歌心あふれるバラード・プレイが楽しめました。

五枚目は、2001年10月 Smoke Get`s In Your Eyes から「@煙が目にしみるA木の葉の子守唄」を聴きました。ヒギンズのピアノ・トリオにスコット・ハミルトンが加わったワン・ホーン・カルテットによる演奏です。スィング・ジャズ・スタイルのハミルトンとヒギンズのピアノが味わい深い演奏を聴かせてくれました。木の葉の子守唄ではアルバム「黒と白の肖像」よりも軽快にスィングしています。

六枚目は、2002年9月 My Foolish Heart Vol.1 から「@My Foolish HeartAThe More I See You」を聴きました。五枚目と同様のピアノ・トリオ+スコット・ハミルトンの演奏ですが、円熟さが加味されたより素晴らしい演奏になっていました。マイ・フーリッシュ・ハートでは、ビル・エバンスの演奏が思い出されてしまいますが、ヒギンズのピアノはあっさりとしていて、ハミルトンのテナーが素晴らしい情緒を奏でてくれました。

最後の七枚目は、2003年7月 You Don`t Know What Love Is から「@My Funny ValentineA虹の彼方にB星に願いを」を聴きました。このアルバムはヒギンズのピアノ・ソロでのバラード演奏になっています。ベーゼン・ドルファー・インペリアルの瑞々しい音色が心に沁み入りました。

エディ・ヒギンズの演奏は、ジャズを難解かつ複雑にしてしまった功罪から愉しく歌心溢れるジャズを取り戻してくれたように思います。
来週はCDで山中千尋(ジャズ・ピアニスト)を聴くことにします。